高断熱!真空ガラスの構造と種類に迫る!

真空ガラスとは?開発の経緯と特殊な構造について

真空ガラスの経緯

真空ガラスは1994年に日本板硝子㈱とシドニー大学の共同開発によって商品化された複層ガラスの一種です。複層ガラスとはいわゆるペアガラスと呼ばれる製品の事で、2枚のガラスが貼り合されて1セットとなっています。中でも真空ガラスは2枚の単板ガラスの間に0.2ミリの真空層が封入されているのが特徴です。

真空ガラスのアイデア自体は1913年に公表され1921年にはアメリカにて特許も成立していました。しかし当時の技術では真空の圧力に耐えうるガラスの商品化は困難だったため長期間に渡って商品化は不可能な状態が続いていました。やがて製造技術が進歩して1989年に製品化に成功し、現在は多くのメーカーから様々な種類の真空ガラスが発売されているだけでなく性能の高さからリフォーム業界においても注目度の高い製品となっています。

真空ガラスの構造

真空ガラスは2枚のガラスを貼り合わせた複層ガラスですが中空層はその名の通り真空状態になっています。真空状態を保つ方法として内部にマイクロスペーサーが封入されています。これは厚さ0.2ミリ直径0.5ミリの極小サイズの物体で中空層の真空状態を保ちつつ形状を維持するのに役立っています。

 

真空ガラス「スペーシア」:なぜ熱を伝えないのか?

日本で流通している真空ガラスと言えば日本板硝子㈱から発売されている「スペーシア」が有名です。スペーシアは2枚のガラスの間に0.2ミリの真空層を封入する事で熱の「伝導」「対流」「放射」を防いでいます。そのためスペーシアは断熱性能に特化した複層ガラスとして知られています。

スペーシアは真空層に加えて室外側のガラスに特殊加工された金属膜「Low-e膜」も貼られています。この真空層とLow-e膜によって暖房による熱の外への伝導と空気の対流とエネルギーの放射を防いでくれます。つまりスペーシアを設置すれば暖房器具によって暖められた室内の空気を外へ逃がさずに留めておくことが出来るのでエアコン代の省エネにも繋がります。

既存の窓ガラス(厚さ3ミリ)の熱貫通率が6.0w(㎡・K)なのに対してスペーシアは1.4w(㎡・K)しかないので従来の窓ガラスに比べて4倍もの断熱性能が期待できます。

 

スペーシアは結露も防ぐ

 

スペーシアが持つ断熱性能は結露防止にも役立ってくれます。結露と言えば冬場や梅雨の時期になると発生しやすい物ですが窓付近の気温の低下が原因であると言われています。従来の窓では室温20℃湿度60%の場合外気温が8℃になると結露が発生します。しかしスペーシアは外気温の影響を受けにくい為、気温ー23℃まで結露の発生を防いでくれます(※)。つまりスペーシアはごく普通の環境では結露の発生をほぼ間違いなく防いでくれるという事になります。

※部屋の間取りやカーテンの有無によってー23℃以上の気温でも結露が発生する場合があります。

 

冷気だけでなく熱気も防ぐ

スペーシアの性能は断熱性能だけでなく遮熱性能も期待できます。夏場の暑い時期になると窓ガラスを通して日光が入り込んでしまうので室温が暑くなりがちですが、スペーシアは真空層とLow-e膜によって日光の侵入を66%に抑えてくれます。

省エネに大きく貢献

つまりスペーシアの性能は一年中通して冷暖房の節約に役立ってくれるという事になります。日本板硝子㈱の発表によると単板ガラスとスペーシアの冷暖房費を比較した所、スペーシアは年間で約40%ものコストカットに成功しています。

 

中村建硝で取り扱う真空ガラス①スペーシア

日本板硝子㈱のスペーシアは現在様々な特徴を持った製品が発売されています。中村建硝ではその中で断熱性能に特化した「スペーシア」と、遮熱性能も加えられた「スペーシアクール」を取り扱っています。

高断熱真空ガラス:スペーシア

スペーシアは従来の単板ガラス(3ミリ)2枚に透明な特殊金属膜「Low-e膜」1枚と幅0.2ミリの真空層によるペアガラスです。この特殊な構造により非常に優れた断熱性能が備わっています。

従来の窓ガラスでは冬場の寒い時期に暖房によって暖められた室内の空気は窓から外へ逃げてしまいます。よって窓付近の気温は上がりにくく室内全体も暖まりづらくなってしまいます。しかしスペーシアは中空層に封入された真空層と特殊金属膜によって熱の漏れを防いでくれます。これによってスペーシアは単板ガラスと比較して年間を通して約40%ものエネルギーを節約できると言われています。

室内環境悪化の原因「結露」を防ぐ

スペーシアが持つ断熱性能は結露防止にも役立ちます。結露は冬場の寒い時期や梅雨のような湿度の高い時期に発生します。結露を放置しておくと室温の低下やカビの発生を招いてしまいます。しかしスペーシアは外気による室温の低下を防いでくれるのでカビの発生を防いでくれます。実験によると気温ー23℃までカビの発生を抑えることが出来るのでごく普通の家庭での気温差によるカビの発生はまず無いでしょう。(湿度による影響は別とした場合)

騒音を防いで快適な暮らし

またスペーシアは断熱だけでなく遮音にも期待が持てます。駅前や繁華街・あるいは工事現場付近の住宅では外の騒音に悩まされている方も多いのではないでしょうか。騒音が室内に入る際の侵入ルートは様々ですが窓は最も音を通しやすい部分であると言われています。スペーシアはペアガラスなので2枚の単板ガラスが1セットとなっています。そのためガラスによる壁が2重構造になるので従来の単板ガラスに比べて高い遮音性能を持っています。

スペーシアは取り付けも簡単

さらにスペーシアには他のペアガラスに比べて取り付け・交換が簡単であるという特徴もあります。ペアガラスは2枚のガラスに加えて中空層もあるので当然厚みが増してしまいます。製品によっては10ミリ以上の幅もあり、太いペアガラスは従来のサッシにはめ込むことが不可能になってしまうので別料金でアタッチメントを購入しなければなりません。スペーシアならば全体の幅が6・2ミリなので既存のサッシでも問題無くはめ込むことが出来ます。そのためスペーシアは窓のリフォームを検討している方にとってとともおすすめできる製品です。

 

中村建硝で取り扱う真空ガラス②スペーシアクール

スペーシアクールはスペーシアが持つ高断熱・省エネ・簡単な取り付けに加えて高い遮熱性能が特徴的です。

窓ガラスは寒い時期の暖かい室温を外へ逃がしてしまうように、暑い時期の外から来る太陽熱も室内へ通してしまいます。そのため従来の窓を使用している住宅では夏の暑い時期には室内が暑くなりがちです。しかしスペーシアクールは中空層の真空層と高遮熱Low-e膜によって太陽熱の侵入を防いでくれます。従来の窓ガラスが太陽熱をわずか12%しかカット出来ないのに対して、スペーシアクールは51%もカットしてくれます。そのため暑い時期でも外気の影響を受けることなく、尚且つ省エネにも大きく貢献してくれます。

またスペーシアクールは太陽光の熱だけでなく紫外線の侵入も防いでくれます。日差しの厳しい季節になると上空から降り注ぐ紫外線の量も増加しますので窓付近にあるカーテンや家具が変色してしまいます。しかしスペーシアクールならば外から侵入して来る紫外線を60%もカットしてくれるので家具の日焼けを防いでくれます。

この様に真空ガラス「スペーシア」にも様々な種類が存在します。実際に窓のリフォームを検討している方はご自身の悩みに合わせてピッタリな真空ガラスを選んでみて下さい。

 

中村建硝で取り扱う真空ガラス③クリアFit

クリアFitは2011年11月に発売された真空ガラスで、スペーシアと同じ日本板硝子㈱の製品です。クリアFitは3ミリの単板ガラス2枚と0.2ミリの真空層によって構成されています。スペーシアと違って断熱性能のある金属Low-e膜はありません

クリアFitの性能はスペーシアとほとんど同じで非常に高い断熱性能を始めとして、その他結露防止・省エネ・遮音性能などといった特徴があります。ガラス全体の厚みも6.2ミリだけなので、取り付けの際一般複層ガラスのような別売りのアタッチメントは不要です。

クリアFitとスペーシアとの大きな違いはLow-e膜の有無です。Low-e膜はペアガラスの断熱性能の元となっている重要な資材なのでこれがあるかないかで性能の高さが変わってきます。そのためLow-e膜が無いクリアFitはわずかながら断熱性能でスペーシアに劣っています

またスペーシアはLow-e膜によって高層マンションの上階の気圧にも耐えられる構造なので13階以上のマンションでも設置できるのに対して、クリアFitは耐久性能で劣るので一戸建てあるいは5階以下のマンションの部屋が推奨されています。

ただしクリアFitはスペーシアに比べて安値で販売されているというメリットがあります。各々の1㎡での料金相場はクリアFitが21,000円スペーシアが33,000円となっています。

さらにクリアFitの性能を上げる方法として内窓に設置するという方法があります。二重窓を設置すること自体も高い断熱効果を期待できるのでクリアFitと合わせることで安価で高い断熱効果を期待することが出来ます。

 

真空ガラスに関するよくある疑問

種類によって性能の違いはありますか?

真空ガラスでも種類によって性能が違います。特に結露防止は性能の差が出やすいです。主に高価でガラスに厚みのある真空ガラスはより高い断熱性能が期待できます。そのため例え真空ガラスを取り付けても地域や間取りによっては選び方を間違えると結露が全然減らないこともあります。

アパート・マンションでも設置出来ますか?

集合住宅の場合条件がいくつかあります。自分の部屋であったとしても基準と強度とそれぞれの集合住宅の規則に則っている事が前程です。クリアFitの場合は強度が弱い為マンションの上階(6階以上)では設置できません。そのため取り付ける前に不動産会社や大家さんにリフォーム出来るか確認を取る必要があります。

保証期間はありますか?

真空ガラスだけに限らずペアガラスには中空層の品質を保てる期間が定められています。スペーシアとクリアFitは販売会社による10年間の保証期間が設けられています。その間は施工業者からの点検・修理を無償で受けることが出来ます。ちなみに真空ガラスの予想耐久年数は約20年とされています。

施工方法を教えて下さい

真空ガラス(スペーシア・クリアFit)の場合、厚さ6.2ミリなので既存のサッシにそのままはめ込みます。その際にサッシの戸車が故障していたら別料金での交換の提案をします。作業時間は数時間で済みます。

その他の厚みが9ミリ以上あるペアガラスの場合、サッシの下部にアタッチメントを付けなければならないので費用が割高になってしまいます。そのため真空ガラスはとても効率良く工事できる製品と言えるでしょう。

 

まとめ

真空ガラスは現在断熱を始めとする多くの性能に優れており、尚且つ薄くて取り付けが簡単なのでリフォーム業界でも大きな注目を集めています。冬場の寒い時期に室温が上がらず困っている方は真空ガラスを設置して快適な室内環境を目指してみてはいかがでしょうか。